2013年9月22日 ヨガフェスの【ヨガ・ボディーワークス系通訳になりたい人のための基礎講座】を終えてみて

2013年、10年目という節目を迎えた今年のヨガフェスで、初めて試みの座学講座を担当させていただきました。

実際にどんな会場になるのか？雰囲気になるのか？

行ってみなければわからないなと思い、いろいろなコンテンツを用意していきましたが、結局はレクチャーと発声するための準備、をメインにやらせていただきました。

（注：詳しくは、髙橋遥さんが書いてくれたレポートを読んでいただければわかります）

本当は、通訳技術のためのエクササイズ的なことをやってもらおうと思ったのですが、仕切ってはありましたが、回りの音もかなり聞こえてくるオープンスペースの中でしたので、マイクを使わなければお互いの声もちゃんと聞こえない状況でした。マイクは、講師用ともう一本用意はしていただいてはいましたが、ヒヤリングなどのエクササイズをするのにも、集中力のいるトレーニングも少し厳しいと思い、レクチャーメインで、後半の方は、緊張を少しほぐす意味でも、発声法、声を出す前の準備そして最後は、自己紹介を人前でやってもらって、身体のパーツクイズを少しやりました。

まだまだ、ヨガ通訳は小さなマーケットなのかもしれませんが、確実にニーズは増えてはいます。それこそ私がヨガ業界に足を踏み入れた１０年前に比べたら、このような通訳になりたい人達のための座学講座が成立していること自体、業界全体が変わった、進化した、大きくなった、ということだと思います。これは本当に、ヨガが好きでヨガ業界でずっと頑張り続けた方々が支えてくれていたおかげです。講師側も、生徒側も、大きな役割を果たしていると思います。

今回の講座では、私自身が２０年以上の通訳キャリアの中で感じたことをお話させていだきました。また、「英語ができれば通訳になれる」、と思われている方があまりにも多いので、通訳の訓練というものは実は技能訓練であり、しゃべるお仕事であるということ、そのためにはどんなトレーニングをしていくのか？というようなことをお話しさせていただきました。

私の養成コースでも１０回のレッスンを通してずっと絶えず皆さんにお伝えているのが、「通訳という仕事はどういうお仕事であるか」ということなんです。技術、通訳する上での専門知識などは勉強することで徐々に身に付いてきます。しかし、通訳というお仕事の根本がわかっていただけないと、通訳をしている本人も一緒にお仕事をする外国人の先生方も、その通訳さんの訳を通してワークショップなどを理解しようとする生徒さん達にとっても辛い事になるような気がします。

通訳は原語が違う人達の架け橋となる重要な存在です。また、これもいつも言っていることですが、ただ単に言葉を訳すだけではなく、その国の文化まで訳して行かなければならないのです。その人の立場になってものごとが考えられる、ということが重要な要素になってくるのです。

そんなことを踏まえながら、通訳という道を歩んでいただきたいなという願いを込めながらお話をさせていただきました。この講座で皆さんが通訳になるための一つのきっかけになってくれたり、通訳というお仕事の見方が少し変わって、私達通訳が日々どんなことをやっているのかを理解していただければ幸いです。